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日々だらだらと書き綴る日記です。
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可李乃あさみ
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/23
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「で、メモリア、さっきの話だけど」
ベルが、それまでのやり取りを無視して、顔を上げたメモリアに話しかける。

「待ってください、ベル。私は彼女たちには手順を踏まなければなりません」
「でも、二人の目的はボクだと思うよ。さっきすれ違ったから、追いかけてきたんだと思う」
「やっぱり」「気付いていたのね」
ベルとメモリアの話に二人が割り込む。
「しかしそれでも。メモリアを知るのは、紹介というかたちしかないのです。今が絶好の機会ではありませんか。ベル、あなたも二度手間はいやでしょう」
今度はメモリアが二人を無視して話を進めてきた。
(あー、まずい)
話が混乱してきている。
「それは、そうだけど」
ならば話のどちらかを先に済ませてしまうに限る。ベルは先に、メモリアとの話を進めようと返事をした。の、だが。
「ならどうして」「声をかけてくれないの」
「そうでしょう?ですから、先に紹介を。あれも一種の儀式なのです」
両方から返事が返ってきた。そこで、ベルはどちらに答えたとも取れる返事をしてしまったのだと気付いた。
そして、少しだけ戸惑って黙る。
「分かった」
どちらかに答えようとするから、ややこしくなるのだ、一気に両方に答えてしまえば良い。
「マスターと一緒にいたから、邪魔しちゃ悪いと思ったんだよ。それにボクは用があって。このメモリアは歴史書の役割を持ってる。クチハとクレハも何かあったら彼女を使うと良い」
ほら、紹介したよ、と目線で訴える。メモリアは少し不服そうな顔をして、胸に手を当て一礼する。顔を上げたときにはすでに、不服そうな表情はさっぱり消え去っていた。
「はじめまして、クチハ、クレハ。私は、第三十七代記録者、セリア=メモリア。私の役目は、記録と記憶。メモル=メモリアという名の歴史書です。資格あるあなた方が望まれるのであれば、私はいつでもこの世界の過去と現在のあなた方の知りたいすべてをつまびらかにしましょう」
メモリアがその一言を言いきると、四人の間に沈黙が落ちた。ベルは、メモリアが決まり文句を言い、クチハとクレハが答えるという、メモリアの言う所の「儀式」が終わるまで傍観者に徹することに決めていたし、メモリアは、クチハとクレハが答えるまで、口を開けない。肝心のクチハとクレハは、使う者の立場に立つという、慣れない状況に戸惑って、何も言えない。
無理も無い、とベルは思う。いつもベルがメモリアに「紹介」をするときは事前に話をしてあるし、手順も、簡単にではあるが、説明してある。
しかし今回は、話どころか、クチハとクレハがメモリアと出会うということを予想していなかったという状態なのだ。
(さて、どうするか)
このまま二人が困っているのを見ているのも悪くないのだが。
「クチ―――」
そろそろ助け舟を出そうと、ベルが口を開いた。
「ではいつか」「必要なときが来たら」
「「私たちは、あなたの力を借りることにします」」
しかし、ベルの言葉はすぐに遮られた。二人のメモリアへの返事を聞いて、ベルは、おお、と目を見開いた。完璧だ。
「驚きました」
メモリアがベルの気持ちを代弁するかのようにポツリとこぼした。
「説明なくそこまでの受け答えが出来るというのはなかなかありませんよ。ねえ、ベル」
「そうだね。メモリア、説明してないことに気付いてたんなら、言ってよ」
「あの話の混乱した状況で?」
メモリアが皮肉るような笑みを浮かべる。う、とベルが言葉に詰まった。あの状況で他の要求を増やすというのは、確かにかなり難しい。
「…無理を、言った」
小さくベルがメモリアを肯定して自分の非を認める。
顔を見合わせていたクチハとクレハは、ええと、と控えめに口を開く。
「私たち」「もしかして」
「「褒められているのかしら」」
メモリアとベルが、同時に首をかしげて、
「さあ、どうだろう?」
自分たちの気持ちを代表するかのようにそういったのは、ベルだった
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