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日々だらだらと書き綴る日記です。
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可李乃あさみ
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女性
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1984/02/23
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足音を追いかけて、クチハとクレハがたどり着いたのは図書館の前だった。
思わず、二人は顔を見合わせる。今追いかけている精霊に、一番ふさわしくない場所だと思った。普通に探すのならば、真っ先に探す場所から外すような場所なのだ。

しかし、そんな二人の戸惑いなどお構い無しに、道案内の魔法は、金属の取っ手を、かん、と鳴らしたきり、音を立てなくなってしまった。仕方なく、おそるおそるではあるが、扉の取っ手に手を伸ばす。
が、取っ手を引く前に図書館の中から扉が押し開かれた。
伸ばした手が空を切り、しかし、条件反射のように後ずさったため、扉に体をぶつけることは無かった。
扉を開いた張本人は、本を片手に、なぜか、視線は自分の背後の下のほうを見ている。
「「あの…?」」
扉を開いた状態で止まってしまっているヒナに、控えめな声で、二人で声をかけた。
「え、わ、ごめんなさい」
気付いたヒナが慌てて頭を下げて、扉から離れる。閉まる扉に、クチハが取り縋り、クレハが体を滑り込ませた。
ヒナは、それをぼんやりと見送って、ふと首をかしげた。
「なんだったのかしら。あの足音」
こぼしたその言葉は、閉まる扉に遮られて、二人には届かなかった。
図書館にクチハとクレハが入ると、コツ、コツ、と足音がその場で一度足踏みして、上の階へと続く階段へと、向かう。
コツコツコツ、きし。足音が階段を上り始めると、音は、床を叩くものから、階段を軋ませるものへと変わる。
その足音に続いて二人が階段に足を乗せると、やはり、きし、と軋む音がした。しかし、その音はすぐに図書館の静かなざわめきと混じり合って、気にはならなかった。
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