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日々だらだらと書き綴る日記です。
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可李乃あさみ
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/23
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風が吹いて、黒と金の髪が空に流れる。
クチハとクレハは小さな丘の上にいた。そこは、神殿の中でも一段高い場所で、ベルが先ほどまで歌を口ずさんでいた場所であり、また、神殿のふもとの町を一望できる場所でもある。

「いないわ」「いないね」
「でも気配は」「残ってるね」
トツキを宿舎に送ってすぐ、クチハとクレハはこの丘に向かったのだった。トツキを送る途中、かすかに覚えのある気配がしたのだ。
その気配は、よくここにいた精霊と似ていたので、いるかと思ったのだが。
「でもそういえば」「反対側に向かっていたような」
そうだ。気配は、すれ違うようにして遠ざかって行ったのではなかったか。
「「あら、それなら」」
思わず声をこぼして、顔を見合わせる。
「中心宮かしら」「それとも他の建物かしら」
「「……」」
いかにも、困った、という顔をして二人は手をつないだ。
「彼のたどりし道」「我のたどるべき道」
「「現せ―――」」
唱和する。それは、簡単な呪文だ。
唱え終わると同時に、さくり、と草を踏む音がした。だが、そちらを見ても、誰もいない。
それなのに、さくさくさく、とまるで透明人間でも居るかのように足音だけが向かってくる。そして、クチハとクレハの前で、止まった。
「今回は」「足音なのね」
確か前に同じ呪文を使ったときは、糸が見えて、その前は、見えない誰かに手を引かれた。
クチハとクレハの力は、呪文は同じでもその時々で姿を変えるという、普通の使いではありえない現れ方をする。
それは、最初のマスターの気まぐれさに似ていて、それに気付くたび、二人は苦笑せずにいられない。
一拍の間をおいて、魔法で出来た見えない足が、草を踏んで歩き出す。
二人は、その足音の後について歩き出した。
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