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日々だらだらと書き綴る日記です。
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可李乃あさみ
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/23
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「つまらないわ」「つまらないね」
「でも分かっていたわ」「聞こえていたもの」
「ああ―――」「だけど―――」
「「どうして裏がないのかしら」」

行儀悪く祭壇に腰掛けた二人の使いに責められてトツキは戸惑う。願いに別の意図がないことが、そんなに悪いことだろうか。
「普通は何かあるものよ」そんな思いを見透かしたようにクチハが言う。
「心に秘めて口に出さない、何か想いが」クレハがそれを口に出すことを面白がるようにパタパタと足を振る。
この二人は、一体これまでどんなマスターに仕えて来たのか。変な好奇心を発揮してしまいそうになって、トツキは慌てて自重する。やっぱり契約やめた、なんていわれたら嫌だ。
「本当にみっともないのが嫌で」「使いが欲しいだけの一心で」
「「使いを下せた人なんて初めて見た」」
「ああでも」「そうね」
「「だから私たちなのかもしれないね」」
ふわりと二人が祭壇を飛び降りて、手をつなぐ。そして、それぞれ空いている方の手をトツキに差し出した。
「だけど」「けれど」
「もう、何を言っても仕方がない」「契約は成った」
「私たちが消え去るまで」「マスター。貴方が世界に還るまで」
「「私たちは、貴方の使いであろう」」
差し出された手の真ん中にトツキは右手を置く。二人の使いは跪いて、同時にその手の甲に口付けをした。
それは、二人がトツキに忠誠を誓うという、証。こうしてトツキは二人の使いを同時に得たのだった。
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