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日々だらだらと書き綴る日記です。
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プロフィール
HN:
可李乃あさみ
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/23
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「つまらないわ」「つまらないね」
「でも分かっていたわ」「聞こえていたもの」
「ああ―――」「だけど―――」
「「どうして裏がないのかしら」」
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その頃、ベルは。
「―――♪♪―――♪――るよ。メモル=メモリアに聞いてみな♪この世で知らぬことはない♪彼女は―――」
誰にも邪魔されない木の上で、まどろむように歌を口ずさんでいた。そして、何かに気付いたように瞬きする。はて―――
(当代のメモル=メモリアは誰だったか―――…)
意味を成さない言葉ばかりが、間断なく繭の中に届いて響く。
力のさほどない精霊の繭は表層に近くてたくさんの声が届くのだが、この繭に眠る精霊の特殊さ故か、言葉が意味のない音になってしまっている。
「――――――んて、――くて――な――だ。―――――て―――やだ」
その中で、意味をなす声がただひとつ、届いた。
音の奔流の中で目を閉じていた精霊が、ぱち、と目を開く。
「聞こえた?」
「聞こえた」
暗闇の中で、ただ、片割れの顔だけが浮かびあがるように、見える。
きっと今、そろって同じ表情をしている。少し迷っているようなでも待ちわびたものが来たような、そんな顔。
「どうしようか」
「どうしようか」
くすくす、とやっぱり鏡のように同じ表情で、笑う。
声が少し遠い。けれども、これを逃すと、今度はいつ呼んでもらえるか分からない。
眠る前につないだ手を放さないまま、繭の中で立ち上がった。
「行く?」
「行こう」
暑い一日になりそうだ。
まだ正午を過ぎていないのに、朝にされた打ち水はとうに乾き、風に吹き上げられて砂埃が舞い上がり、まとわりついて、不快な気分にさせる。
勢い良く歩を進めると、転がった石に下駄が当たって、からり、と音がした。
足元を一度見て、顔を上げる。
少しはなれた正面に、何棟か並んだ長屋が見えた。
(やっとついた…)
その、一番右端の棟の、一番奥の部屋の借主に釖虎は用があるのだ。
木陰に座って、とろとろと眠る。
今日も平和だ。
不吉な予言も、不穏な現実もここの所なりを潜めている。
ベルは、こうしてまどろんでいられる時間が好きだ。まどろんでいる間に見る夢はあいまいで、長く眠っているときのように悪夢にうなされる心配が無い。
そして、眠る、と言う行為はとても心地良い。
まどろむという事は、眠るという行為を堪能することだ。

晶が目を開ける。最初に真っ白い空間に視線をめぐらせた。
真っ白な天井、真っ白な壁、自分に掛かったシーツも真っ白で、目がおかしくなりそうな錯覚に陥った。
その真っ白なシーツの上に引っ張り出された自分の腕、その腕の先、指先が届きそうで届かないその場所に、銀に光る細い髪。
 

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